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さよならいいこ

私は私だもの

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落ち込んで死にたいときに私を支えてくれたおすすめの曲

音楽・ゲーム

はじめに

あなたが落ち込んでいるときに聞きたい曲は、どんな曲ですか?

落ち込んでいるときほど前向きな曲をきいて自分を奮い立たせる人もいるけれど、私はそうじゃない。そういうときって、人前では心配かけないように、つけこまれないように、一日なんとか終われるように、前を向いていなきゃいけないってわかっているから。

 

本当は毎日前を向くことが辛くて精一杯で、いや、もうどこまでが辛くてどこまでが精一杯なのかよくわからないけどなんだかもう全てがダメで、イヤホンを耳につないだ瞬間ぐらいは音楽にどす黒い気持ちを受け止めてほしくて。眠れない夜に、大音量でずっと同じ曲を再生して、真っ暗な部屋をうろうろ、うろうろ、ぐるぐる回って。

 

そんなとき私が聴いて救われた曲を3つ紹介します。

 

タテタカコ 卑怯者

裏界線

裏界線

 

 

 

人に頼られたら、何かに感づいたら、その期待に応えられる自分でありたかったんです。

けれど人の期待にキリはなくて、自分という人間の器は驚くほど小さくて。

 

「自分を守るためなんだ。」

 

という大義名分のもと、人を見殺しにしたり切り捨てたりしなきゃいけないことがいっぱいあって。

同時に、自分ばかり優先するなんてとても自己中心的でいけないことをしているような気がして、本当はいまにも相手に引っ張られそうで、そういう自分の脆さと無理やり決別するかのように突然相手を突き放してしまったり。

 

「ああ、最初から優しくなんてしなければよかったのかな。」とか、

「そもそも私のやったことって優しさだったのかな。」とか、

「自分も守れてない奴がなにやってるんだろう。」とか。

 

そういうときによく聞いていた一曲です。また、自分も人に何かを求めすぎてないかなって見直せる曲でもあります。

 

あなたの助けを求める悲鳴
耳をふさいでしまう
あなたが暗いトコで手を求めても
私はふりはらうし

引っぱる力はありません
引きのばす力もないです
やさしいフリをよそおうことなら
できるけど長くはつづきませぬ

 

本当はどの部分の歌詞も甲乙つけがたいくらい心に響いて、純粋でストレートでそれが心地よく痛くて、全部転載してしまいたいくらいなんだけれども。しかもその歌詞すべてが、重厚なピアノ演奏と一見穏やかだけど惹きこまれる力強さを秘めた声色に乗せられて心にスッと沁みます。

さらに最後の歌詞で一気に追い上げがかかって、

 

ただ自分が倒れないように
ただ自分が立って歩くのを
ただ自分が轢かれないように
ただ自分になってゆくのを

 

うあああああ・・・って気持ちのまま曲が終わっていくのが、いい。

 

忌野清志郎 人間のクズ

冬の十字架

冬の十字架

  • アーティスト: 忌野清志郎 Little Screaming Revue,忌野清志郎,三宅伸治
  • 出版社/メーカー: Swim Records
  • 発売日: 1999/09/22
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川のほとりで 自殺を考えた

だけど怖いから やめた

 

超ネガティブなのに曲調は明るいし、冒頭からいきなりどうしようもなくて、でもだから良いんです。生々しい情けなさが、メロディーに乗って私に寄り添ってくれるのです。さらにサビが本当にどうしようもなくて好き。

 

クズクズクズクズ人間のクズ
クズクズクズクズ人間のクズ
クズクズクズクズ人間のクズ
クズクズクズクズ 俺の事さ

 

俺の事さ~\(^o^)/

 

薄っぺらい「そんなことないよ。」とか、「もっと自己肯定感ガ~」とか、そんな言葉実生活で聞き飽きていて、どれだけ何を言われても変わることができない自分がいよいよ本当にクズに思えてきて、そんなときに聴きたい一曲。理屈じゃ動けないくらいどうしようもなく疲れてしまうときがあって、

 

「変わらなきゃ!」

「朗らかにならなくちゃ!」

「明るく素直に!」

 

とか、そういうあるべきポジティブさが強迫観念となって自分を襲ってくるとき、もう前向きな曲なんてききたくないんです。けれどこの曲は自分をひたすらクズクズと連呼し、最後は

 

俺はクズなんだ
君はどうだい
俺は今日も元気だ

 

クズクズクズクズクズ・・・

 

今日も元気だ~!!\(^o^)/

 

なんというやけくそ。現状は何も変わっていない。一見そんな風にも見えるけれど。

「自分はクズ」とそんな自分を変えるでもなくそのままストレートに受け止め、しかし決して正当化して開き直りはしない謙虚さと強さを秘めている、そんな気が私はするのです。

 

あと余談ですが、落ち込んでいないときに一歩引いて聴いてみると、この曲の歌詞の中の「俺」ってとてもストレートに人間くさい感情を放っているだけで、

 

俺はだめな奴だ 全部でたらめなんだ
偽りの化粧をして 何処にも本当の顔がない

 

実は本人が連呼するほどクズじゃないんですよね。そんな人間が自分の弱さをあけすけに叫ぶからこそ、聴く人の心をつかんで離さないのかもしれません。

 

ちなみにこの曲が収録されているアルバム『冬の十字架』は当時、ロック調の『君が代』を収録したことで発売中止になりました。清志郎はこれを受けてライブにて、

 

「『冬の十字架』、発売中止でーす! ありがとうございまーーす!!」

 

と明るく叫んでいます。他にもいろいろとやりすぎな伝説が多いですが、そういう彼が私は好きです。

 

倉橋ヨエコ 梅雨色小唄

梅雨色小唄

梅雨色小唄

 

 

自分の悪いところばかり思い浮かんで、いいところはびっくりするぐらい思いつかないときがあります。

 

「そういう姿勢がダメ。」

 

と誰かに言われて、そんなこと自分が一番よくわかっていて、

 

「だからどうせ私はダメって言ってるじゃん。」

 

なんて、やさぐれてしまうときがあります。いや、やさぐれているのならまだマシな方で、本気で自分のことをそう思ってしまっていたりします。何かの一言で、あるいは何か気づかないうちにしでかしたことの積み重ねで、いろんなことがこじれてしまって。世界中からダメ出しされているような気がして、自分でもそんな自分をダメと思っていて。

 

「自分で自分のダメ出ししてるんだもん、他人が良いと思うわけないよね。うーんやっぱダメだわ。死のう。・・・とか言いながら死ねてない時点でほんとダメだわ。うんダメ。」

 

みたいな。正常なときは「よくそんなにダメと思えるな。」と我ながら感心するレベルの思いこみっぷりでも、そんじょそこらの正論や精神論にダメダメバリケードは破れない。そしてそういうときに限って、誰も一歩一歩そばで支える覚悟で声なんてかけてくれなかったりする。そんなとき初めてこの曲を聴いて、

 

あなたの一言で生きれる人もいて
あなたの一言で消えてく人もいる
悪くないんだよ 悪くないんだよって言って
言って

 

「ああ単純にこう言って欲しかっただけだったんだ。」

 

って、言葉・音の魔力にボロボロ泣きました。

 

 「悪くないんだよ。」

 

自分で自分を蔑みながら人の慰めを待っているなんて、どれだけ浅ましいかわかっているけれど、もうそれも含めて「悪くないんだよ。」って、誰かひとりでも言ってくれたら。

 

同時にこんなに人の心に届く歌を書ける人ってどんな心をしているのかなって、自分のことばかりでいっぱいだった頭が他人に興味を持った瞬間でした。

圧倒的な迫力とピアノ演奏もさることながら、それ以上の繊細さをこの方からは感じるのです。

 

おわりに

三曲とも、根本的な解決策を何一つ言わないところに救われます。一時しか救われなくても、その場しのぎの積み重ねが必要なときってあるんです。人間誰でもすぐに変われるわけじゃないもの。たくさんの意見が無力な自分に重くのしかかって、どうしようもなく打ちひしがれているとき、音楽は人を助けてくれます。そしていつか、一山超えた日に同じ曲を聞きなおすのも、なかなか良いものですよ。

 

おまけ

辛かった時期、朝起きて視界に天井が見えるのすら嫌でした。自分がまた今日も生きてしまっているという現実をつきつけられるようで凹むのです。それから2年3年経って、時間が忘れさせてくれることもたしかにあるけれど、だからと言って「辛くても生きてよかった」と思うほどの出来事もありませんでした。人生を心からそれなりに楽しいと再び思えるようになるには5年の歳月がかかったし、今でも人生に満足している一方で「とくにすることがないからいつ死んで良い」と思っていたりもするのです。

 

けれどもそんな私でも、ある日「生きててよかった」と心から思える日がやってきました。落ち込んでいた時期にずっと聴いていたタテタカコさんの生歌を聴ける日が来たのです。

sakenominimal.hatenablog.com

 

昔は毎日死ねないことへの自己嫌悪で精一杯で、こんな瞬間に立ち会う日が来るなどとは微塵も思っていませんでした。だからもし「死にたい」という人がいたとしても、「生きてさえいればいいことがある」なんて無責任なことは言えません。けれど私は死ねない日々を繰り返した結果、こんなに素晴らしい瞬間に立ち会えました。辛いことがあったからこその光みたいな感情を生まれて初めて感じました。だからなんというか、たとえ死ねなくて毎日が暗くても、こんな人間もいてこんな可能性もあるという、ひとつの例として、かつての私と同じような想いの人の心に少しでも残れたら良いなと思います。