去年は散々な一年でした。
大切だった、親しい人と何人も立て続けにすれ違って、そのたびに私が今まで頑なに守ってきた自分らしさみたいなものを乱雑に引っ剥されたみたいな一年でした。
あるいは私も、すれ違いざまに相手のそれを散々引っ剥がしてしまったのかもしれません。
身勝手、自己中、わがまま、思いやりがない
そう言われました。その通りです。
それでもなおそんな自分を変えられない、どうしようもなく身勝手な人間です。
結婚の話だって色恋だって、今まで全くなかったわけじゃないのです。
理屈で自然にしているのが一番と思ったところで、現実は毎日どこか物足りなくて、失った心が寂しくて、いつ誰と結婚した方が、これからどうした方が、自分は、自分は、自分は、自分は。
誰かを好きとか大切とか言いながら、結局私はこの期に及んで自分のことしか考えていないのです。そういう自分が嫌になって、また自分自分自分。
うまくいかなかった人間関係をどうすればよかったんだろうと悔やんでは、自分のことばかり庇ったり責めたり、本当に自分ばかりで、だからうまくいかなかったと、そういう自分を変えれば上手く行くことは多かったろうし、これからもそうなのかもしれないと思いつつ、変えるなんてそれはちょっと無理があって。
そのくせ自分は、他人の変えられない部分を変えようとしていたんじゃないかと、それが親しい人への甘えとか愛とか言うなら、そんな愛なんてない方がよかったんじゃないかとか、あるいは私は変わる必要なんかなかったところで、誰もそんな私を受け止める必要なんてないのだと当然のことに今更気づいたり、とりあえず今これから、どう生きれば私は幸せになるのだろうと、考えがまとまらなくて。

- アーティスト: ASIAN KUNG-FU GENERATION
- 出版社/メーカー: Ki/oon Music Inc.
- 発売日: 2014/04/07
- メディア: MP3 ダウンロード
- この商品を含むブログを見る
そんな私にある日、恩師が言いました。
たまたま、久しぶりに連絡を取ったのです。
かつての会社の上司。
正社員がいかに恵まれているかとか、働きたくないなら若いうちに結婚をとか、そういう、世代とか考えが古いけど、親切で愛情深い人。
私が会社を辞めるとき、誰よりも心配して、寂しがって、けれど最後は誰より信じて見送ってくれた人。
あの人がいなかったら、私は2年もあの会社にいられなかった。
毎年、年が明けるたびに私は挨拶がてら彼に近況を話すのです。
それすら面倒と思う年も正直たまにある私は本当に身勝手で、でも、最終的にいつも、挨拶したいと思うのです。
去年あんまりいろいろありすぎたから、今年はちょっと、ふと、弱音をこぼしたのです。
「愛して愛されて適齢期に結婚、なんて難しいです。なら片方どちらを取れば自分は納得できるのか、そもそも愛って何、みたいな。焦ると良くないんでしょうけどね。」
なんとなく、一緒に働いていた頃、上司は休みに引きこもってアニメばかり観ていた私に「さっさと結婚しろよ」と冗談めかしながらいつも心配していたから。
そして近年は私自身も結婚を意識しだして、それが叶わなかったことが自分でも心配になってきてしまったから。
うしろめたさとか心細さがあったのだと思います。
そんな私に、彼は言ったのです。
「そのことは、自分らしく、でいいと思うよ。」
シンプルな一言を、かつてと変わらない様子のあなたが、かつてと少し変わったようなことを言って。でも、やっぱり変わらない。
話していたら、昔に戻ったみたいで。
このまま居たら独りになってしまうの?
街を出ていったのは、連絡を取らなかったのは、独りになったのは、目先の去ったことばかり見ていたのは、私で。
気づいたところで毎日はすぐには変わらないし、私は頼りない私と生きていかなければならないのだけれども。何を選べば良いのかなんて今でもわからないけれど。
拝啓
私はニートになってもシェアハウスに住んでも再就職してもシェアハウスを出ても、相変わらず忘れっぽくてそそっかしくて大雑把で頑固で顔に出やすいです。
また来年連絡が取れるように、とりあえず今年も東京でがんばります。
忘れないように、ここにも書いておくんだ。
ありがとう。